靴修理の仕事を始めて12年になります。
チェーン店の修理屋さんに就職し、数ヶ月たったある時イギリス人の方からChurch'sのオールソールを依頼されました。修理の仕事を始めて間もなかったため、綺麗に仕上げられるわけもなく、酷い状態でした。しかしその後もそのイギリス人の方はオールソールを年数回持ってきました。毎回どうすれば綺麗に美しく仕上げられるのか必死になって作業したのを覚えています。
3年が経ち、チェーン店の修理屋さんを辞め、メーカー修理の工場に転職が決まった頃、またそのイギリス人の方からオールソールの依頼があり、仕上がった靴を渡す時、お店を辞めて修理の工場に転職する事と、今までお客様の靴の修理をさせて頂いでありがとうございました。と伝えると、引き取りに来た靴の仕上がりを見て、一言
『だいぶ、うまくなったね。』
なんとも言えない想いがこみ上げてきたのを覚えています。
今思うと、その時の仕上がりも上手いと言える物ではなかったと思います。
もう、その方とは連絡は取れなくなりましたが、もし機会があれば、あの時の靴を全部やり直しさせて貰いたい。と思い出す事があります。
もう12年、、、